2010年03月24日
パン・ド・カンパーニュ

日本では「パン・ド・カンパーニュ」を田舎フランスパンと言います。
カンパーニュはフランス語で田舎と言う意味です。
地産地消が基本のフランスやドイツでは、その地域でとれた麦を使ってパンを焼きます。
同じレシピで作ったパンでも、麦の性質が違えば当然出来上がりのパンも違ってきます。
小麦粉で言えば、その性質をあらわす基準になるタンパク質と灰分(ミネラル質)が
ひとつひとつの畑からできる麦によって違うと言ってもいいほどです。
また、その年の天候などにも左右されるそうです。
製粉会社は一定の品質の小麦粉を作るために麦をブレンドしながら安定したグルテンと灰分の
割合の製粉をしてくれます。
しかし、ヨーロッパの田舎の村などに行くとそうでもなさそうで
その年によってかなり差がある小麦粉が出回るそうですが
そこは地産地消を誇りに生きる人々
それはそれ!大地と太陽の恵みに感謝をしてさほど気にもしないと聞きました。
ドイツでも「パン・ド・カンパーニュ」と同じようなパンがあります。
「ラント・ブロート」と言います。
ラントは土地、地域などの意味がありブロートは大形の食事パンのことを言います。
ドイツの面白いところは南と北では収穫される麦の質がまるで違うところです。
南にいくほど小麦中心で、北に行くほどライ麦中心です。
「ラント・ブロート」と言っても内容は見て食べてみるまで分からないのが実情です。
世界中で一番パンの種類が多いのがドイツと言われるのは、実はそういう所にあるのです。
ライ麦粉と小麦粉のブレンドの割合によって決まった名前がつけられるパンが数種類ありますが
それも、見て、食べてみるまでは本当の違いはわかりません。
「パン・ド・カンパーニュ」も「ラント・ブロート」も
きっと作り手の数と同じくらいのレシピが存在すると思われます。
基本的に長時間発酵で酸味が強いフランスパンと言うのが大雑把な表現でしょうか。
「パン・ド・カンパーニュ」が好きな私は、どこのお店が本物か?などと言っていないで
そのお店の個性を素直に楽しむようにしています。
もちろん!私はパン屋めぐりが大好きです。