信州そばとライ麦パン
信州と言えば「信州そば」が有名。
とは言うものの、時代をさかのぼれば
米も麦もとれない寒冷地のやせ地で仕方なく栽培可能な穀物だったんですよね。
今じゃおやきと並んで、信州代表の伝統食。
まだこの秋、新そばを食べていません。
そばは、冷たいのも温かいのも大好物です。
そんなそばと同じくライ麦も寒冷地向きです。
ヨーロッパやロシアのパンに多く使われるライ麦粉は
今でこそ、繊維質やビタミン、ミネラルが豊富でと
健康食として、またダイエットにと注目を浴びていますが
その生い立ちはやはりそばと同じなんです。
ドイツでも南の方よりも北の方に行くほどライ麦比率の高い
重くずっしりとした黒いライ麦パンが多くなるのも
そうした気候の影響によるものです。(ヨーロッパは地産地消が基本)
私がパン職人駆け出しの頃に聞いた話だと
フランス人から見てドイツ人はライ麦ばかり食べている
食に貧しい国と言う感じでした。
もちろん一部のパンにライ麦粉を配合するパンもフランスにはありましたが
白い粉のバゲット!が何と言っても彼らの自慢でもあったようです。
近頃日本のそばも上品になってきて実の中心の部分を挽いた更科そばが人気ですが
丸ごと実を挽いた素朴なそばも残してほしいと思います。
パンもそばも酒米も、実を磨いて中心の部分だけを使うのが
高級とされていますが
丸ごとの実を使った素朴を楽しめる部分もあれば良いと思います。
パンで言うと全粒粉のパンのようなものですね。
パンとそばは違うかもしれませんが
パンの故郷ヨーロッパでは、白い粉だけの小麦粉は姿を消しつつあります。
丸ごと挽いた全粒粉が普通の小麦粉です。
手にとって良く見ると細かな粒々が混入しています。
ライ麦も同じく全粒粉が多いですね。
地産地消が定着している国ほどもったいないの気持ちも
強いのかもしれませんね。
パン屋からのメッセージです。
小麦やライ麦の粒を丸ごと挽いた粉で作った
パンを食べましょう。
一番栄養がある部分が飼料になってしまうのはもったいないですよね。
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